Paint it Black・・・。

stargherking2006-04-01

今回観たのが【スタンリー・キューブリック】監督の『現金に体を張れ(1956年)』です。原題は【THE KILLING】主演は『ゴットファーザー』の悪徳警官役だった【スターリング・ヘイドン】です。

私は今まで【キューブリック】監督の作品で観た事があるのは『2001年宇宙の旅』と『フルメタル・ジャケット』ぐらいでした。最近になって『博士の異常な愛情』を観たのですが、この作品にも【スターリング・ヘイドン】が出演していますね・・・。

原作は【ライオネル・ホワイト】という人物で、【ジャン=リュック・ゴダール】の『気狂いピエロ(1965年)』の原作もこの人です。

博士の異常な愛情』も凄い作品だと思ったのですが、今回観た『現金に体を張れ』も凄まじい作品ですね。カメラのアングルやライティング(照明方法)等の映像やストーリのプロット(筋書き)は勿論ですが、セリフが極上です。

特にチャプター・メニュー13の「チェスの駒を得る」のシーンでの主人公ジョニーとドイツ語訛りの英語を話すモリースの会話の中の「悪党と芸術家は同じ穴のムジナだ」の件や、チャプター・メニュー23の「哲学者モリース」のモリースの言葉「太陽の正体を見極めようとした男の話」の件には感服しました。

この『現金に体を張れ』は85分の作品ですが、この時間の中に色々な物を詰め込めるだけ詰め込んだ作品であると感じました。正に鞄に札束を詰め込む主人公の様に有りっ丈の物を詰め込んだかの様に・・・。そういう点では93分の作品『博士の異常な愛情』も同じ様な作品に思えます。

(ブラック)一色の濃淡の使い方が見事ですね、ラストのシーンでの桜吹雪も・・・。