THEE MICHELLE GUN ELEPHANT・・・。

stargherking2005-06-01

ガス・ヴァン・サント』【Gus Van Sant】監督の「エレファント」【Elephant】を観た。
2003年カンヌ国際映画祭パルム・ドールと監督賞の【W受賞】という史上初の快挙を果たしたという作品。また1999年に起きた米コロラド州コロンバイン高校の銃乱射事件をモチーフにしたという作品との事です・・・。

ガス・ヴァン・サント』監督の作品というと、あの『ウィリアム・S・バロウズ』が出演した「ドラッグストア・カウボーイ」(1989)とノートンのバイクの黄色いタンクが印象的な「マイ・プライベート・アイダホ」(1991)の2作品は観た事があったので、この「エレファント」は久しぶりの『ガス・ヴァン・サント』監督作品です。

不思議な事に前述の2作品と、この「エレファント」は同じオレゴン州ポートランドが舞台です。(「マイ・プライベート・アイダホ」はポートランドからアイダホへと向かうという作品でしたが・・・)
それと色々調べてみてビックリしたのですが「マイ・プライベート・アイダホ」には「パッション」でキリスト役を演じたジム・カヴィーゼルジェームズ・カヴィーゼル)が出演してたんですね・・・。

この「エレファント」」ですが『81分』という短い時間の中に色々な物が凝縮された作品という感じがしました。シンプルなストーリーと複雑なプロット(構想)のバランスが絶妙です。劇中の色々な登場人物の、それぞれの視点による『構図』の折り重なりが不思議な『層』を形成していますね。シンプルな音楽は逆に作品に深い味わいを加えるエッセンス(香料)になっている様に思えます・・・。

DVD(ビデオ)のパッケージの『黄色』が印象的な作品です。初秋の木々の葉の色である『黄色』と主人公のTシャツの『黄色』、それと『蒼い』空の色が印象的ですね・・・。主人公の父親役が、あの「ジョニーは戦場へ行った」のティモシー・ボトムズだったとは・・・。

「エレファント」【Elephant】とは「見えているのに無視してしまう、何か比喩的に巨大なもの」という意味を持っている様です。劇中で鳴り響くベートーベンのピアノ曲「月光」と「エリーゼのために」が妙に印象的でした・・・。
最後のシーンで鳴り響くラッパの音は黙示録における「第七のラッパ」の音なのか・・・。
『黄色い』太陽と『蒼い』月光・・・。
「THE ELISE GUN ELEPHANT」・・・、エリーゼの銃は象・・・・。